はじめに
前回の記事(↓うつ病と診断されたあとに起きたこと↓)では、
うつ病と診断されて休職したときの、最もつらい時期について書きました。
その後、少しずつ元気が戻ってきたように感じました。
でも、それは本当の「回復」ではなく──
実は“軽躁状態”の始まりでした。
① 元気が戻ってきたと思っていた
ある日を境に、急にエネルギーが戻ったように感じました。
朝も起きられるようになり、家事もこなせる。
「やっと良くなってきた」と思っていました。
でも今振り返るとそのときの私は、
どこか“異常なほど前向き”で、“止まらない自分”になっていました。
② アイディアが止まらなくなる
頭の中に次々とアイディアが浮かび、ノートに書き記していました。
最初は整理のつもりが、気づけば何冊も埋まるほど。
書きたいことが溢れ、夜になっても筆が止まりませんでした。
思考がどんどん加速していくようで、
「自分ってこんなにアイディアがあったんだ」と思うほどでした。
③ 趣味が一気に増える
今まで「無趣味」と感じていたのに、
気づけば10個以上の趣味を始めていました。
ハンドメイド、音楽、絵、読書、料理……
やりたいことが次々と出てきて、どれもすぐに試してみたくなりました。
エネルギーが戻ったというより、
「何かしていないと落ち着かない」という感覚に近かったです。
④ ネットや100均での買い物が止まらなくなる
ネットでの買い物も急に増えました。
特に100円ショップでは、行くたびにカゴいっぱい買っていました。
おそらく合わせると100点以上買っていたと思います。
「これがあったら便利そう」「何かに使えるかも」
そんな衝動で次々と買ってしまっていました。
あの頃は、動けなかった時期が嘘のように、
毎日のように100均に通っていました。
🌿 衝動の正体
これらの行動は一見「元気になった」と思えるかもしれません。
でも実際には、衝動が止まらない状態でした。
「やりたい」「今すぐほしい」という気持ちが強すぎて、
自制がまったく効かなくなっていました。
頭の中が常に動いていて、落ち着いて座っていられない。
そんな“焦燥感のある元気さ”だったと思います。
⑤ 日記を書き続ける
日記を書き始めたのもこの時期です。
最初は少しだけ書くつもりだったのに、
書きたいことが止まらなくなって、びっしり書いていました。
頭の中にあることを全部書き出さないと落ち着かない。
そんな勢いで、毎日書き続けていました。
⑥ 抗うつ薬の影響
医師によると、当時飲んでいた抗うつ薬が
軽躁状態を引き起こしていた可能性があるとのことでした。
うつの治療に使う薬は、双極性障害の人にとっては
“気分を上げすぎてしまう”ことがあります。
私の場合も、まさにそれが起きていました。
⑦ 「うつ病」ではなく「双極性障害」だった
その後、医師から「双極性障害の可能性があります」と告げられました。
正直、そのときはショックでした。
ようやくうつが治ると思っていたのに、また新しい病名がついたからです。
でも、今ではあの診断が“自分を理解するきっかけ”になったと思います。
うつのときの自分も、軽躁のときの自分も、
どちらも「わたし」なのだと少しずつ受け入れられるようになりました。
🌙 おわりに
うつが治ったと思ったら、実は軽躁状態だった──。
この経験を通して学んだのは、
「元気に見えること」と「本当に安定していること」は違うということでした。
双極性障害は、うつと躁を行き来する病気です。
うつのときもつらいけれど、躁のときもまた、違う意味で苦しい。
特に軽躁のときは、周りからは“明るくなった”“元気になった”と思われても、
実際の自分の中では、衝動が止まらず、自制がきかない苦しさがありました。
やりたいことが次々と浮かび、心も体もずっと動いている──そんな感覚でした。
今はその波を少しずつ観察しながら、
「わたしのペース」で生きる練習をしています。
無理に止めようとせず、揺れを受け入れながら、少しずつ整えていこうと思います。



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