はじめに
わたしは最初、うつ病と診断され、抗うつ薬を服用していました。
しかし実際は双極性障害で、抗うつ薬の影響もあって**躁転(そうてん)**してしまいました。
その後、医師の判断で薬が変更になり、
躁状態を抑える薬(気分安定薬)を服用するようになりました。
ここでは、躁状態からの服用で感じた変化を、リアルな体験としてまとめます。
買い物欲がなくなった
躁状態のときは、異常なほどの物欲がありました。
100均でもネットでも、気になるものを次々と購入していました。
しかし薬を飲み始めてから、その衝動が一切なくなりました。
今思えば、あのときの自分は“正常ではなかった”と感じます。
買い物欲がなくなったことで、初めて自分の「異常さ」に気づきました。
アイディアが浮かばなくなった
躁状態のときは、次々とアイディアが浮かび、手帳に書き込んでいました。
「これもやりたい」「あれもできそう」と頭がずっと動いていたのに、
薬を飲み始めてからは、まったく思い浮かばなくなりました。
静かになったとも言えますが、正直少し寂しさもありました。
日記の量が減った
以前は、浮かんだことを何でも日記に書いていました。
ページが埋まるほどの勢いで書いていたのに、
薬を飲み始めてからは、書く量が明らかに減りました。
今は、日記をつけ忘れる日もあります。
「書きたい」という気持ち自体が弱まったように感じます。
趣味ができなくなった
躁状態のときは、趣味が10個以上もできました。
新しいことを始めたくて、関連する道具をたくさん買いそろえていました。
でも薬を飲み始めてからは、ほとんどの趣味に手がつかなくなりました。
その時に買ったものを見て、「あのときの自分はすごい勢いだったな」と感じます。
毎日が楽しくなくなった
薬を飲み始めてから、少しうつ寄りになったのか、
「楽しい」と感じることが減りました。
躁状態のときは、アイディアも浮かぶし、
物欲もあって忙しく過ごしていましたが、
今は静かで、少しつまらないと感じることもあります。
でも、それが“安定している”ということなのかもしれません。
食欲が増えた
以前よりも食べる量が増えました。
時間を持て余すようになり、何かで心を埋めたくて食べてしまう。
その結果、体重が6kgほど増加しました。
「食べることで満たす」というのは、
心が静かになった反動なのかもしれません。
おわりに
薬を飲み始めてから、
「衝動がなくなった」一方で「楽しさも減った」と感じました。
でも、それは決して悪い変化ではなく、安定のサインだと今は思います。
躁状態のときのような勢いはないけれど、
代わりに「落ち着いて考える時間」を持てるようになりました。
薬を飲むことは、感情を奪うことではなく、
自分を守るためのブレーキをつけること。
そう考えるようになってから、少しずつ気持ちが軽くなりました。


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